自社の強みが分かるようになるSWOT分析(クロスSWOT分析)とは?

SWOT分析で何ができるのか?

SWOT分析とは外的要因(機会・脅威)と、内的要因(強み・弱み)から、勝負するべきか、撤退するべきか?などを検討する際に役立つマーケティング分析手法です。

SWOT分析は、下記のような点で役立ちます。
・新規商品やサービスが、市場で勝負できるのかを判断する。あるいは、市場のどの部分で、どうやって勝負していくべき可を判断できる。
・環境が変わったときなどに、随時分析をしていくことで、環境変化を見過ごさず、適切な判断がしやすくなる。

SWOT分析は基本的かつ重要なマーケティング分析なので、今回はSWOT分析についてご紹介したいと思います。

SWOT分析って何?

SWOT分析とは、「S」と「W」と「O」と「T」を分析する方法です。
だけでわかったら、きっと天才だと思います(笑)

「S」「W」「O」「T」について順番に説明していきますね。
「S」「W」「O」「T」の意味
S → 強み
W → 弱み
O → 機会
T → 脅威

内的要因 「S」「W」
「S」と「W」は、内的要因で、商品であれば、商品そのものや、企業がもつ要因です。

例としては、下記のようなものです。
・コストが高い
・厳選された材料を使っている
・一度に大量には生産できない
・職人がひとつずつ手作りで生産している
他にも、商品や企業の特徴や特性など、様々なものが、この内的要因になります。

こういった内的要因を、さらに「S:強み」と「W:弱み」に分けていきます。

分けるときにひとつだけ気をつけてほしいところがあります。
一見、弱みである部分も、見方によっては強みに分類できることもあり、
勝負できる部分が新たに発見できるかもしれません。

※例えば「弱み:企業規模が小さい」も、「強み:意思決定が早く、小回りが聞く」になるかもしれません。

外的要因 「O」「T」
「O」「T」は、企業側からはコントロールできないような、外的要因になります。

例としては、下記のようなものが挙げられます。
・今年は天候が悪く、農作物のできが悪かった
・少子高齢化により、子供が減っている
・円安の影響で、外国人観光客が今年は多い。
・近々、消費税が増税になる。
このような、自然環境、政治的要因、人口統計的要因など、企業や商品とは関係ないが、売れ行きには影響する様なものが外的要因になります。

内的要因同様、「O:機会」「T:脅威」に分けていきます。

クロスSWOT分析とは?

SOWTをそれぞれリストアップして、分析するだけでも、結構な分析ができるかと思います。
ですが、より論理的に考えるための手法として、
クロスSWOT分析があります。

クロスSWOT分析のやり方

2マス×2マスの表を作り、
左側に内的要因(SとW)・・・通常、Sを上側、Wを下側に書きます。
右側に外的要因(OとT)・・・通常、Oを左側、Tを右側に書きます。
を書きます。

で、例えば、機会(チャンス)であり、強みでもある要因は?
って感じで考えていきます。

2×2のマトリックスは、こんな感じになります。

O:機会 W:脅威
S:強み
WW:弱み

S(強み)×O(機会)

「ガンガンいこうぜ」な部分です。
攻めて攻めて攻めまくって、チャンスをものにするしかない!
って感じなんです。

例えば、
機会:外国人観光客が増加傾向
強み:全社員が英語・中国語会話ができる
だとして、この強みを活かさない手はありませんよね?
小売店なら、外国人向けのPOPや、スタッフのネームカードなどに、どの言語に対応できるのかを明記するなど、観光客を取り込む方向でビジネスを行えば良いという方向性が見えてきます。

S(強み)×T(脅威)

強みを使って、脅威をチャンスに変えられないか?
を考えたいところです。

例えば
ノマドの増加という機会に対して、ゆっくりと仕事ができる防音・個室の喫茶店があったとします。しかし、立地を間違えて、集客に苦戦していたとします。
脅威:住宅地に店を構えたためか、思ったほどノマド的な働き方をする人が少なかった。
脅威:少子高齢化で労働人口(市場)の減少
強み:ゆっくりできる場所の提供

もちろん、人口統計データなどを調べた方が良いとは思いますが、
・住宅地にあることから高齢者層を集客できないか?
・そのために、交流の場を提供する方法は無いか?
といったことを考えることが出来ます。
カラオケができる喫茶店や、スマホ教室などを開いてみるのも面白いかもしれません。

W(弱み)×O(機会)

チャンスが来た!でも、その市場で勝てる要因を持っていない!
そんなときは市場を見極めながら、チャンスを掴めそうであれば、勝負するといった、虎視眈々な感じの領域です。
焦らず、無理せず、でも気にしておきたい部分です。

例えば
機会:ダイエットブームが来た
弱み:でも、うちは、高カロリーのスイーツ店

普通に勝負してもダイエットをしている層には売りづらいと考えられます。
可能性としては
・ダイエットに成功したときのごほうび
・ダイエット向け、低カロリースイーツ
などを提供する方法が考えられます。
メインで勝負するのではなく、既存のお客様を大切にしつつ、チャンスがあれば捕らえる感じでいれば良いと思います。

W(弱み)×T(脅威)

ハッキリ言って、どうにもならないです。
被害を最小限に食い止める努力をするか
撤退した方が良いかもしれません。

例えば
脅威:円安が進み、輸入品が高い
弱み:輸入販売をしており、国内仕入れや輸出などは対応出来ない

そうなると、販売価格は高くなるため、利幅は上がらないのに、売上は下がります。
対応策としては
・固定費を少しでも抑えて、円高になるまで耐える
・輸入事業から撤退して、今ある資金で別の事業を立ち上げる
のどちらかになってきます。
脅威がどの程度の期間継続するのか?
これを予測して、最適な判断をしていく必要があります。

SWOT分析で市場で勝てる強みを見つけよう

SWOT分析を行うことで、
外的要因から、どのようなチャンスがあるのかを知ることが出来ます。
それに対して、内的要因から、どんな強みを持っているのかを知ることが出来ます。

すでに動いているビジネスの場合は、SWOT分析から、
「今の市場(外的要因)に対して、どのように動くべきか」を知ることが出来ます。

逆に、これからビジネスを起こすのであれば、
「今、存在している外的要因の中で、強み×機会になる分野は無いのか?」
という視点で分析することも出来ます。

外的要因について考える

内的要因については、急に変わるものではありません。
なので、害低要因を知っておくことがチャンスを見つける上で、大事になってきます。

外的要因
・政治の動き
・人口の動き(人口ピラミッド、害公人労働者・観光客、人口統計など)
・海外の動き
・流行の動き
などなど。

私の考えとしては
少子高齢化
→ 外国人労働者の増加
→ グローバル化(海外在住の人への外注など)
→ 働き方の二極化(ホワイトカラー/ブルーカラー)
大まかに、こんなふうに流れていくと思っています。

なので、働くなら、下記どちらかの人材になるべきだと考えています。
・日本人にしか出来ない仕事
・海外でも通用する人材

具体的には、
・文章・ニュアンスが必要な仕事
・おもてなしが必要な仕事
・ブレインワーク・コンサルなどの仕事
など、日本人特有の細やかさや気遣いをウリにする仕事か、
ビジネスそのものを動かす人間になる必要があると考えています。

SWOT分析を3C分析につなげる

SWOT分析を行うと、
・市場にどのようなチャンスや脅威があるのか?
・自分はどのような強みを持っていて、その市場で戦えるのか?
といったことがわかってきます。

これだけでも、方向性は見えてくるのですが、
仮に「強み×機会」の分野であっても、大手が既に参入していて、競争がかなり激しい市場では、勝つのは難しいかもしれません。

そこで必要なのが「3C分析」です。
SWOT分析の結果を自社の要因として
顧客は何を望んでいるのか?
どんな競合がいるのか?
を分析して、どう戦っていくのかをより明確にしてください。

SWOT分析まとめ

  • SWOT分析は、強み、弱み、機会、脅威に分けて分析する
  • SWOT分析を使えば、どの部分で、何を活かして戦えば良いのかが分かる
  • クロスSWOT分析で、より論理的に考えることができる
  • SWOT分析の結果を、3C分析で使う

すでにビジネスを行っている人も、
これからビジネスを行う人も
ぜひ、SWOT分析、やって見てください。