お笑い芸人の歌がヒットする理由をマジメに分析してみた

お笑い芸人の歌がヒットする理由

お笑い芸人の歌、なぜかヒットしますよね?
もちろん、ヒットしていない楽曲も沢山あるとは思います。

でも、「ミュージシャンになる!」と夢見て、音楽一筋で頑張っている人も沢山います。
当然、演奏も歌も、遥かに上手な人もたくさんいます。

なのに何故お笑い芸人!?
って思いませんか?

その理由、マジメに分析しちゃいました。

マジメなマーケティング分析のお話です
お笑いのネタ解説をする気はありませんので、ご了承くださいm(__)m

楽曲の内容が特徴的

一般的なミュージシャンが作る楽曲には
「感動できるもの」「陽気になれるもの」「共感できるもの」
様々なジャンルがあります。
しかし「音楽をネタにして笑えるもの」は、ほとんどありません。

一方、お笑い芸人がネタとして使う楽曲。
当然「笑い」の要因が必要になります。

方法としては
・歌い方、パフォーマンスで笑わせる(リズムネタなど)
・歌詞の内容で笑わせる
のいずれかになります。

メロディや編曲、演奏で笑わせるのは・・・出来たら天才だと思います。

中でも楽曲としてヒットするのは
「歌詞の内容で笑わせる歌」になります。

楽曲を聴く人が異なる

楽曲を聴く人(ターゲット)を分析(顧客分析)してみます。

なぜ、その音楽を聴くのか?

一般的なミュージシャンの曲だと?
・そのミュージシャンのファン
・曲が好き(メロディ、演奏、編曲など)
・歌詞が好き(感動、共感、元気が出るなど)

お笑い芸人の楽曲だと?
・笑える、おもしろい
・ネタになる
・話題性がある

共通項として
・流行りに乗り遅れたくない
・カラオケで歌いたい

ターゲット自信は何も考えていない

「なぜ、その音楽を聴くのか?」について書きましたが、
重要なのは「ターゲット自信は何も考えていない」ということです。

お笑い芸人の歌は、
「ネタになる」「話題性がある」と書きましたが、
これは「メディアに取り上げられやすい」「共有されやすい」という意味でもあります。

提供する場所

店舗・商品・サービスなどを宣伝する場合も、
テレビCM、折り込みチラシ、ホームページ・・・
様々な宣伝方法を考えます。

その宣伝方法が異なっているのも、特徴のひとつです。

楽曲を提供している場所

一般的なミュージシャン場合は?
・ラジオ
・音楽番組
・ライブ
・ストリートライブ
・インターネット配信
どのくらい有名かにもよりますが、上記の様な方法が考えられます。

お笑い芸人の場合は?
・お笑い番組
・お笑いライブ
ネタを披露する場所で、楽曲(というかネタ)を提供しています。

実際のところ
「楽曲を披露している」ではなく、
「ネタを披露している」「ネタが楽曲の形式になっている」
と考えているんだと思います。

実は、マーケティングを抑えている

耳を疑いましたか?
でも、そうなんです。

マーケティングの基本は「何を、誰に、どうやって、宣伝・販売していくのか?」です。
SUPが明確だからこそ「売れた」と考えることも出来ます。

何を? → 製品戦略

「お笑い芸人の歌 – 製品戦略」
なんだか良く分からない言葉ですよね。。。

「どんなモノ・サービスを提供するのか?」ということなのですが、
「楽曲の内容が特徴的」で説明した通り、
お笑い芸人が歌う、歌詞の内容で笑わせる歌
を提供しています。

この「お笑い芸人が歌う、歌詞の内容で笑わせる歌」というのが
強烈なUSP(ユニーク・セリング・プロポジション)になっているといえます。

USP(ユニーク・セリング・プロポジション)とは

誰に? → ターゲッティング

誰に提供するのか?
「楽曲を聴く人が異なる」という事です。

全ての人とまでは言いませんが、
「音楽は嫌い」と言い切る人は少ないと思います。

ターゲットを下記の様に分類したとします。
・良い曲を自分で探すくらい、音楽が好きな人
・話題になり始めた初期に音楽を聴く、音楽好きな人
・流話になった音楽を聴く、音楽好きな人
・かなり有名になった音楽だけを聴く人
・・・イノベーター理論に沿って説明しようかなと思ったけど、分かりづらい&やりすぎなので、やっぱり辞めます(笑)

ターゲットを、こんな感じで分けます(訂正版!)
・音楽が好きな人
・音楽は嫌いじゃないけど、そこまで興味がない人
・音楽を嫌悪している人

「音楽は嫌いじゃないけど、そこまで興味がない人」
結構いると思いませんか?
→ 一般ミュージシャンが、なかなかアプローチ出来ないターゲット層です。

その中で「お笑いが好きな人」
結構いると思いませんか?
→ お笑い芸人がアプローチできるターゲット層です。

ここに楽曲をネタの形式で提供したら?
ターゲットの選定って、STPマーケティングとかで考えるんでしょうけど・・・
考えなくても分かるくらい「競合の少ない大きな市場」なんです!

どうやって? → 媒体・乗り物

どんなメディア、媒体に載せて、宣伝するのか?

USPが明確で、競合の少ない大きな市場(ブルーオーシャン)を見つけた。
あとはどうやってアプローチするのか?だけです。

情報を整理すると
・音楽は嫌いじゃないけど、そこまで興味がない人 = 音楽番組を見ない人
・お笑いが好きな人 = お笑い番組を見ない人

答えは簡単で、
「お笑い番組で楽曲を提供すれば良い」
それだけです。

芸人マーケティングのまとめ

「お笑い番組で、お笑い好きな人に、楽曲を提供する」
そう考えると、重要なのは「ネタとして、おもしろいかどうか?」です。

さらに
「下手ではなく」「話題性がある(みんな知っている)」という状態であれば
音楽が好きな人にも「新しいジャンルの音楽」として受け入れられます。
※この部分が、「歌い方・パフォーマンスでの笑い」より「歌詞での笑い」の方が「楽曲がヒットする理由」になります。

伝えたかったこと

  • ・ブルーオーシャンの見つけ方
  • ・マーケティングの重要性

今から「芸人で歌を出す」と考えても、驚きや意外性などが無くなってしまいます。
そのため「冷静に音楽としてどうか?」という目で見られるかもしれません。

もし、こういったジャンルがない時に、市場を分析して狙ったのだとしたら、「すごい」の一言です。

ブルーオーシャンは、まだ近くに、それも沢山あります。
「お笑い」も「ミュージシャン」も飽和している市場です。
その2つの掛け合わせが、ブルーオーシャン戦略を生み出した事例だと思います。

何か、おもしろいアイデアありませんか?
良かったら。コメントください。
※マネされちゃうかもしれませんけど・・・