USP(ユニーク・セリング・プロポジション)とは

USPがなければ商品は売れない

USPというのは詳細は後述しますが「商品の特徴」そのものです。
USPがなければ、その商品には特徴がない(特徴が分からない)というこことになり、キャッチコピーも商品説明文も書けませんし、アプローチするべきターゲットも分かりません。
USPは、必ず検討するべき製品戦略の中でも基本になる部分だと思うのですが、残念ながら「USPって何?」という状況で商品を販売しなければいけないケースもよくありますので、USPについてご紹介いたします。
ちなみに、うちの商品にはUSPが無い、と思っている場合でも、USPが明確でないだけというケースの方が多いので、ご安心ください。
USPは、見つけることができます
その方法も含め、USPについてご紹介していきます。

USPって何?

USPとは、ユニーク・セリング・プロポジションの略で…って言っても、全くピンときません(笑)
ちなみに、ユニーク・セールス・プロモーションだと思っている人もいるくらいなので、まぁ内容を理解していれば問題ないんだと思います!

USPは商品の魅力だ

USPとは、その商品の特徴です。
どんな特徴かと言うと、市場における競合商品などと比較しての特徴になります。
そのUSPは、そのまま商品の魅力として、お客様に伝えたいポイント(訴求ポイント)にもなります。
USPは、その商品の市場における立ち位置を明確にしてくれます。
USPは、それ自体が市場優位性を示し、市場のどの部分で、何を訴求していけば良いのか?という指針にもなります。

USPはその商品が売れる理由・特徴

USPは商品の特徴です。
USPは、商品の魅力です。
でも、ニーズの無い、売れない特徴であれば、全く意味がありません。

USPは、商品が売れる理由・特徴
でなければなりません。

実際には、商品開発の段階でUSPを決めて
市場に出してみたら、そこにニーズが無く、
別のUSPを探すなんてこともあります。
なので、売れる特徴でなければ、USPとは言えないとまでは言えませんが、
USPは、あくまでマーケティング上の商品の立ち位置や魅力を明確化したもの。

USPは、商品が売れる理由・特徴

とさせていただきます。

USPは、マーケティングの指針だ

特徴のあるしょ卯品は沢山あります。
ですが、USPを明確にしておかないと
「何をウリにしたいのか?」
「キャッチコピーやライティングなどで、何を伝えれば良いのか?」
「どんな写真が適切なのか?(写真で何を伝えるのか?)」
「どんな人にアプローチすれば良いのか?」
などなど、販売に関する全てのステップで、つまづいてしまいます。

各工程の人達がUSPを考えずに作業すれば
当然、商品の魅力が伝わる可能性は激減します。

また、各工程の人達がUSPを考えた場合でも
その商品のUSPがバラバラになってしまいます。
※商品の魅力が1つではない。

理想としては、こんな流れになると思います。
・USPを決める
・USPをコンセプトに盛り込む
・全員で共有する
・市場に商品を出す
・必要に応じて、USPの修正と、マーケティング手法の修正を行う。

あっ!
修正を余儀なくされているから、理想じゃなかったかも。。。

USPの見つけ方、作り方

この項目は商品開発というより、販売側の人向け書いています。
実際、
・USPも不明
・コンセプトも不明。あるいは何を言いたいのかが分からない
・商品のスペックだけはある。
こんなケースで販売しなければいけないことは多々あります。

本来なら、商品開発の段階で
人口統計調査や、競合調査、顧客意識調査などを行い、
3C分析やクロスSWOT分析などから、USPを考えておくべきかもしれません。

でも、現実には、
「作っちゃったし、売るしかないよね」
ってなります。

下手をすれば、
「作った商品を売るのが仕事でしょ?」
「商品開発に口だしするな」
なんて言われちゃいます。

前述の通り、USPに一貫性が無くなるというリスクは避けられませんが、USPが分からないという状態よりは、だいぶ売りやすくなると思います。
なので、USPになるものを見つけたり、作り出したりする方法を検討してみます。

USPを見つけるためには、自問自答!

今までマーケティング分析とか、偉そうなこと言ってすみません。
USPを見つける方法は?
そう。自問自答なんです(笑)

もちろん、その仮説を検証するために、
ペルソナ(ターゲットになる人物像)にイメージが近い人に、質問して見たり、統計を調べたり、アンケート調査を行ったり…マーケティングっぽいことも必要になってはくると思います。

でも、基本、自問自答です。
もし、今、何かの販売を行っていて、売り方が分からないと悩んでいるのであれば、早速、自問自答してみてください。
そのための質問をいくつか書きます。
商品によっても質問は変わると思いますが、基本的には
AIDMAやAISASに沿って考えていけば良いと思います。
※下記質問には、社会的証明の項目も入れてあります。

<質問>
世の中には、似たような商品が沢山あります。なのにお客様は・・・
なぜ、その商品に注目するのでしょうか?
なぜ、その商品に興味を持つのでしょうか?
なぜ、その商品を欲しいと思うのでしょうか?
なぜ、あなたの言っていることを信頼するのでしょうか?
なぜ、今、買うのでしょうか?
なぜ、それを友達に教えたくなるのでしょうか?

USPの項目

USPを考えるときに、項目に分けて考えると
「商品の魅力は?」みたいに考えると、漠然としすぎていて
分からなくなってしまいます。

そこで、項目別に考えることをオススメします。
各項目について、特徴と優位性があるかどうかを検討していきます。
※メリット、デメリットなどで分けてもOKです。

やり方としては、ブレインダンプやロジックツリーで項目を挙げていき、PRO/CONSなどで項目ごとにメリット・デメリットの表を作り、埋めていく。といった感じです。

<項目例>
・機能
・価値
・価値(初期費用・利用料・手数料など)
・場所、立地
・時間
・デザイン、見た目
・重さ、サイズ
・丈夫さ
・他の使い方は?
・制作秘話などストーリー
・使ったお客様が、どう見られる、どう見えるのか?
・使ったお客様に、どんなメリットがあるのか?
・使ったお客様に、他にどんなメリットがあるのか?
・使ったお客様の気持ちは、どう動くのか?
・お客様の声
・メディアなど掲載履歴
・成功率
・普及度、使用人数

どうしてもUSPが見当たらない場合は?

USPの見つけ方、作り方を書いてきましたが、
それでも、どうしてもUSPが見当たらない!
そんな場合の対処法です。

商品カテゴリそのもののUSPを考える
なんの変哲も無い商品を売るとします。

なんの変哲も無い = 市場に普及している

と考えられますので、その商品カテゴリ自体には魅力があるのだと思います。
その商品カテゴリ自体のUSPを考える、というわけです。

例えば、なんの変哲も無いおにぎりを発売するとします。
具材も、デザインも、名前も、価格も…一切の特徴が無いとします。

発売辞めれば?とか言わないでください。
この記事が終わってしまいます。(笑)

お米とパンを比較してみてはどうでしょうか?
お米の持つ栄養素や、味、食感。あるいはお米という材料そのもの。
あるいは、海苔はどうですか?
具材も普通ということは、塩(具材無し)、鮭、ツナ、おかか、梅干しなどでしょう。
それぞれの特徴はUSPに出来ないでしょうか?

USPは最初に言った人の勝ち
商品カテゴリのUSPを考えると聞いて、ひとつの疑問が発生します。

「ユニークじゃなくていいの?」と。

ダメです(笑)

じゃあ、ダメじゃん。とか言わないでください(笑)
USP自体がユニークでさえあれば、他の商品と特徴自体は同じでも良いんです。

他の人が言っていなければ、一般的な特徴でもUSP似なり得ます。
USPは早いもの勝ちなんです。

例えば、塩おにぎり(具材無し)のUSPを
・余計なものはいらない。シンプルが一番おいしい
として、具材は余計だ、と思われたら勝ちです。
シンプルなおにぎりと言えば、○○と、想起されるまでになれば、最高ですね!
※想起と認知の違いについて、興味があれば調べてみてください。

実際に書くなら、こんな感じでしょうか。。。。

余計なものはいらない。シンプルが一番おいしい

■お米の甘さ・おいしさを最も引き立てる – 塩 –
日本の食文化、お米。その甘みを実感できていますか?
実はおにぎりに具材を入れると、具材の味が強すぎて、お米本来のおいしさ、その甘味が感じにくくなってしまいます。
お米の甘味を最も引き立てるのが塩。
※どちらがお米の甘味を感じられますか?みたいなアンケートデータなど
塩おにぎり 。お米のおいしさを、とことん追求したからこそのおにぎりです。

■ 意外と知らない – お米 – の栄養価
あなたにとっての理想の朝食は、どのような食事ですか?
朝食に求められる栄養とは、なんでしょうか?
それは…

飽きてきたので、塩おにぎりの宣伝はここまで(笑)

なんの特徴も無い商品なので、お米や塩へのこだわりとかすら書いていません。
あとは、お米の栄養価や味などの価値から、「ターゲット層に食べてほしい。その理由とは?」みたいに書いても良いと思います。あるいはレシピなどの応用例とかも良いと思います。
栄養価の特性から「受験生の、朝食や夜食として食べてほしい」として、その母親をターゲットに売り込むなんてのもありかもしれません。

※おにぎりは、通常、低関与商品であり、ネットで調べたり、商品説明をじっくり読んで選ぶ類の商品ではありません。参考例として書いただけですのでご了承ください。

まとめ

  • 商品を売りたいなら、USPが必要
  • USPとは、その商品が売れる理由・特徴
  • USPは自問自答で作る
  • USPは項目を分けて考える
  • USPが見つからない場合は、商品カテゴリの特徴も考えてみる

いかがでしたでしょうか?
USPって、かなり大事です。
もしかしたら、その商品・サービスなどが売れるかどうかにおいて、一番大事なんじゃいなかってくらい、大事です。
もし、商品開発をしている、マーケティングをしている、あるいは販売をしている方は、ぜひUSPについて考えてみてください。