独立 – 会社を辞めるべきタイミング

事業計画とテストマーケティング

独立開業のために、現在勤めている会社を辞めるとして、準備もしないうちに行動するわけにはいきません。では、準備として必要なものはなにかというと事業計画と、売りたい商品やサービスがどれだけ売れるのかを調べるテストマーケティングです。

事業計画は、どんな商品やサービスを売るつもりなのかという事業の内容、それが市場にどれだけの需要があるのか、他社と比べてどこが優れているのか、収益を上げることができるやり方ができるのか、事業で得られるはずの利益の予想などを具体的にまとめていきます。自分だけなく、融資を行う金融機関や取引をする会社もその事業計画を理解してもらわなければいけないので、簡潔かつ明解にしなければいけません。事業計画をまとめて書類にするためには、数日では終わりません。少なくとも1ヶ月、十分に時間をかけて3ヶ月くらいはかかります。

テストマーケティングについては、実際に商品やサービスを消費者に使ってもらうことで手応えを確認していきます。やり方としては、限定的に商品を販売してみたり、リサーチ会社に頼んで登録しているモニターに試してもらうのです。テストマーケティングで反応が良ければ事業が成功する可能性が出てきますし、問題があったとしてそれを改善できればチャンスがあります。どう考えても売れないとわかっても、独立開業の計画は中断すれば、無駄なお金と時間を費やすことはないので得られるものは大きいです。テストマーケティングの結果を受けて、需要の予測と商品の生産する数など修正していけばより現実的な事業計画を立てることができます。

資金調達と資金計画

独立開業をしていく上で、何よりも必要になってくるのが資金です。商品やサービスの生産や維持管理はもちろんのこと、オフィスの賃料や人件費など資金がなければ事業は継続する事ができません。たとえ事業が軌道に乗るとしても、暫くの間は大した売上が出て来ないことが多いです。となると数ヶ月、数年と用意した資金を切り崩してやっていかなければいけません。会社を維持していくため、資金と自分や従業員の生活費などがいくらくらいになるのかを計算して、資金を用意していくことになります。その収入と支出について細かい項目まで明らかにして、自己資金と足りない分を求めるのが資金計画です。堅実に事業を始めたいのであれば、資金計画は数年先まで立てておくべきです。

会社に勤めている間に十分な金額を用意できればいいのですが、実際にはまず足りません。そもそも、独立開業するときには、自己資金だけでなんとかしなければ行けないということではありませんから、足りないということについては問題ありません。足りない分はどこから持ってくるのかというと、金融機関や投資家から融資をしてもらうことになります。実績のない会社が融資を受けるというのは難しいところがありますが、独立起業をする経営者を応援する金融機関もありますから、そういうところに申し込んでみると借りやすいです。

あとは税理士や社会保険労務士など独立開業のサポートを行い、融資に詳しい専門家に相談をすれば効果的なアピール方法を教えてもらえます。そうすれば審査を無事に通ることが出来て夢に近づけます。この準備ができたら会社を辞めるタイミングが近いと言えます。

決意・決断。あとは、思い切り

独立開業のために、事業計画や資金計画を立て金融機関などから資金調達ができたとして、最後に会社を辞めて自分の会社を経営するために必要なのは、一歩を踏み出す決意です。でも、人間は決断をしなければいけないときに、悪い想像をしてしまうことが多いです。もし、事業がうまくいかなかったら借金を抱えることになるんじゃないのか、家や車を手放して家族も離散してしまうのではないか、といったことです。

確かに、会社員として働いているときには、失敗しても会社が守ってくれました。独立開業をすれば、すべてが自分の責任になります。収入だって不安定になり、想像しているよりもずっと低い状態になるかもしれません。

でも、独立を考えたのは自分が売りたい商品やサービスがあるからで、そこに自信を持たなければ成功できるはずがありません。将来のことについては、どれだけ予測をしていても正しいかどうかはその時が来るまでは不明です。過去に独立開業をして成功した経営者たちは、それでも前に進んだからこそ成果を得られました。自分が成功を手に入れたいならば、不安を抱えていたとしても思い切って決断をすることが大切なのです。

悩んでいても、結局の所自分の中では答えが決まっている事が多いのですから、考えずに行動してみることが一番の解決法になります。失敗を恐れる気持ちは、新しい事業を開始して忙しくなってくれば次第に薄れていきます。その恐れを乗り越えられれば、後悔することはありません。