売れる商品と売れない商品の違い

商品には、売れるものと売れないものがある。
同じ広告費、同じ販促方法、同じターゲット。
なのに売れ方が違う。
商品だけでなく、サービスでも、あるいは実店舗ではなく、通販などのウェブサイトも同じだ。
売れる商品と売れない商品は、何が違うのか。
ビジネスを行う上で、永遠のテーマとも言える、このテーマについて考えてみた。

消費者購買心理 – AIDMA

まず、消費者が商品を購入するまでの、心理面の動きについて考えてみる。
これは、「AIDMA」という分かりいやすい指標(?)があるので、紹介しておく。
A → 注目
I → 興味
D → 欲求
M → 記憶(比較)
A → 行動
※英語でそれぞれの頭文字だけど、英単語のスペルに自信がない。確か(Attention、Interest、デザイアー、Memory、Action)だったかな。

注目

広告が目に留まる。お店の看板に気づく。商品の存在に気づく。
という段階。
まぁ、気付かなきゃ、売れる分けがないですよね。

(例)ノートパソコンを選びに家電量販店に行ったら、タブレットコーナーがあることに気づいた。

興味

これ、なんだろ?
なんか、よくわからないけど、興味あるな。
って状態。
キャッチコピーや、パッケージデザインなどで
「もっと詳しく知りたいかな」って思ってもらう段階。

(例)「タブレットはパソコンの代わりにも使えるし、家族で映画を見たりもできる」えっ!?パソコンの代わりに使えるの?

欲求

これ、欲しい!
って段階。

(例)「タブレットなら、持ち運びも楽だし、別売りのキーボードを購入すれば、入力も簡単。ワードやエクセルなども使えるし、各種アプリも使えます。しかも、価格もノートパソコンより格安」機能的にも充分だな。今回はノートパソコンじゃなくて、タブレットにしよう!

記憶(比較)

他の店舗、商品と比べても、これにしよう!って思う段階。

(例)でも、タブレットなら、他のお店、他の商品もあるし、ちょっと色々見てみよう。・・・やっぱり最初に見たタブレットが、一番良さそうだな。

行動

実際に購入する段階。
その人に商品を購入する能力(経済力)があるかどうかで決まる。

(例)タブレットと、画面保護フィルム、キーボードも必要か。でも、ノートパソコンの予算より、だいぶ安くて所持金も足りているし、これを購入しよう!

AIASってなに?

AISASというのは、インターネットの普及にともない、消費者行動心理が変わったのでは?
ということで作られた、新しいモデルです。

A → 注目
I → 興味
S → 検索
A → 行動
S → 共有

興味をもったら、検索(Search)して、購入。
良いものは、メールやLINE、SNSなどで共有(Share)してくれるよ。
って事です。

でも、検索した人も、購入したいかどうかは考えるし、ネットで手軽に比較できるから、比較もかなり重要な気がします。
なので、AIDMAに、検索、共有を加えると、AISDMASってなりそうな気がするんですが、なぜ「5文字」にこだわったんでしょうかね???

低関与商品と高関与商品

例えば、コンビニでポテトチップスを買うのに、ここまで考える人はいません。
その人にとって、価格が安い、影響が少ない。そんな商品を低関与商品といいます。

逆に高関与商品(家や車など)は、購入までに多くの情報を集め、慎重に購入する事になります。

売れる商品と売れない商品の違いとは?

「売れるかどうか」を考えると
・どんな商品を
・誰に対して
・どうやってアプローチしたか
など、複数の要因が混ざってしまいます。

今回は「商品(= モノ・サービス)」に絞って考えてみます。

商品の魅力を決めるのはUSP

ん?USPってなに?
って人が多いのではないかな?って思います。
USP = ユニーク・セリング・プロポジション
ってよくわからない英語の頭文字です。
※ユニーク・セールス・プロモーションって覚えている人も多いです。

USPを見つける質問

「他にも沢山の商品があるのに、なぜ選ばれるのか?」
「 なぜあなたの言うことを信頼できるのか? 」
「なぜ、買いたいと思うのか?」
「 なぜ、今、買うのか?」
こういった質問の答えがUSPになります。

商品開発段階の戦略で、他にもマーケティング手法が色々ありますが、
個人的には、USPは最重要項目だと思っています。

USPが明確だと、様々なメリットが生まれます。

USPが明確だと – 訴求点が明確になる

USPは、一言で言えば、その商品の「特徴」です。
他と同じではなく、特徴があるから、選ばれますし、
アピールするポイントも明確になります。
当然、キャッチコピーなども洗練されやすく、商品デザインにも特徴が反映されます。

USPが明確だと – どうやって売れば良いのかが明確になる

USPが明確だと、ターゲットや宣伝方法も明確にしやすくなります。

・その商品の「USP」は、誰に受け入れられるのか?
・受け入れてくれるターゲット層は、普段何を目にしているのか?
USPを起点に考えて、宣伝していけば良いわけです。
※もちろん、状況に応じて軌道修正は必要になりますが、精度が上がります。

USPが明確だと – PDCAサイクルが回しやすい

開発時に検討不十分な商品の場合
「今回はうまくいかなかった。次はもっと頑張ろう!」
となり、何をどう修正するかは、勘に頼ることになります。

USPが明確であれば、例えば
・想定したターゲットを十分に集客できなかったが、想定したターゲット層の成約率は高かった。
→ 想定したターゲットにアプローチするための手段を変えてみよう。
とか
・想定したターゲット以外にも、50代女性に人気が高かった。そこにあるニーズを検討して、異なるUSPの商品を出してみたらどうか?
など、結果をある程度予測して動くことになるので、検討しやすくなると思います。

市場優位性

市場で勝てるのは、No.1かオンリーワンだと言われています。

またタブレットを例に取って、異なるUSPのタブレットを考えてみます。
1. 世界最高クラスのCPUとメモりを搭載。4G LTEで高速通信もできます。
2. キッチン周りで使っても安心の防水タブレット。簡単にレシピ保存ができてすぐに見れる。さらにキッチンでテレビを見ることも出来ます。
3. ワード、エクセルをデフォルトでインストール済み。持ち運びに軽く、防水性、耐衝撃性が抜群。名刺を保存でき、社名、名前などで簡単に検索できます。

日本って、作り手が商品の価値より機能を求める傾向にあります。
「1」が正にそのケースです。
ちょっと極端ですが、「2」「3」は、誰に何のために売るのかが明確ですよね。
「1」もUSPのひとつではありますが、大企業以外で実行するのは、無謀かもしれません。

USPが明確でない商品を販売する方法

USPの無い商品というのは、基本的にあまり存在いません。
USPを意識していなくても、「良い商品を」と考えて商品を開発していますので、何かしらの特徴を持っていたりします。
あるいは「全く特徴が無い」という特徴があるかもしれません。

どうしてもUSPが見つからない場合は、視点をずらしてみるのは、どうでしょうか?
・それを使用したときに、どう感じるのか?
・それはどんなデザインか?
・主さ、形状、硬度、カラーは?
・価格は?
・名前に特徴は無いか?
・開発時にストーリーは無いか?
・どんな人に、どう使ってほしいか?
・使っている人は、どんなイメージになるか?
などなど、考えてみましょう。

それでも見つからない!?マジですか?って場合は、その商品カテゴリ自体のUSPを考えてみる。
・その商品は、なぜ市場に浸透しているのか?
・どういった点が人気なのか?

※前述のAIDMAの説明事のタブレットが、そんな感じで、タブレットそのもののUSP(って言うのかな?)をノートパソコンと比較している事例に近いです。
※市場に浸透していない商品は、その時点で特徴があると考えています。

USPを考えてみよう!

何事も練習!ってことで、
高いものから安いものまで、
「こんな商品あったら欲しい」
「こんな商品なら、売れるんじゃないの?」
って商品のUSPを考えてみてください。

<お題>
・分譲マンション
・車
・賃貸アパート
・ノートパソコン
・スマホ
・チョコレート
・水
・ボールペン
・ノート
まぁ題材は何でも良いのですが(笑)
ぜひ、考えてみてください。