企業の最大の目的は、利益の最大化です
「御社の運営目的は?」
「社会貢献を通じて、地域の活性化をはかることです」
はい。きれいごとです。
もちろん、建前として、そういった目的も必要だと思います。
また、経営者として、あるいは従業員のモチベーションを高め、維持していくためにも、そういった理由は必要です。
でも、全ては「利益」があってこそ
です。
利益がなければ、人件費も固定費(家賃など)も支払えず、活動資金どころか、生活費すら捻出できなくなります。
なので、どのような活動にしろ「利益」は最重要となります。
大事なので、もう一度言います。
企業の最大の目的は、利益の最大化です。
利益を上げろと言っても実行できない理由
それは、具体的でないからです。
利益というのは、結果であり、
もっと細かく分析して、何を改善するのかを明確にする必要があります。
※もちろん、言う相手にもよります。
そこで、今回は、
利益って、何なの?
っていうことを、分解して考えてみたいと思います。
※思考法としては、ロジックツリーを活用しています。
利益とは売上利益率
すごく当たり前ですね。
でも「利益を上げろ」よりは
「売上を上げろ」「利益率を上げろ」の方が、少しだけ具体的です。
売上とは何なのか?
売上をさらに分解すると、
販売数×客単価になります。
「売上を上げろ」よりも
「販売数」や「客単価」の改善の方が、さらに具体的になります。
例えば、料金固定の商品を販売している場合でも、固定の料金自体を変更するなどの可能性は考えられます。
ただ、自分に関係ないなぁってところについては、飛ばしていただければと思います。
ここまでの利益の分解
利益=売上×利益率
→売上=販売数×客単価
ー→販売数
ー→客単価
→利益率
ひとつずつ説明していくと、大変な量になってしまいますので、
こんな感じで分解したものをまとめて書きたいと思います。
利益の分解
→売上=販売数×客単価
ー→販売数=来店数×成約率
ーー→来店数=アプローチ数×実際に足を運んだ割合
ーーー→アプローチ数=立地・看板・チラシなど、広告、ホームページ・SEO・SNS
ーーー→実際に足を運んだ割合=商品・サービスの魅力、外観、バリアフリー、立地
ーー→成約数=商品の魅力、どれだけ魅力が伝わったか、競合・経済状況など
ーーー→商品の魅力=USP、市場優位性、価格
ーーー→どれだけ魅力が伝わったか=キャッチコピー、ライティング、写真、動画、お客様の声、社会的証明、広告などのデザイン
ーーー→競合・経済状況など=自社、顧客、競合、市場の環境
ー→客単価=商品単価×販売数
ーー→商品単価=相場、価格決定方法、ブレークポイントは?
ーー→販売数=商品の配置、まとめ買いでお得に出来ないか?、ついでに買う商品とは?
→利益率=販売価格-経費
ー→販売価格
ーー→値上げして品質も上げる
ーー→値上げして、品質は変えない → 失客につながらないか?
ーー→値上げせずに、品質を落とす(経費削減)
ー→経費=固定費+変動費
ーー→固定費=家賃、光熱費、人件費、広告費
※光熱費、人件費、広告費などは、企業や業種によっては、変動費かも?
ーーー→人件費は削減できないか?
ーーーー→営業していけるのか?
ーーーー→社員の不満にどう対応するか?
ーーー→広告費は削減できないか?
ーーーー→集客が落ちるかも?
ーーーー→他の広告手法はないか?
ーーーー→広告の反応率はどうなのか?
ーーー→家賃・光熱費は削減できないか?
ーーーー→空調費を抑えるために、冷暖房効率を上げられないか?
ーーーー→太陽光発電などは使えないか? → 導入費用は?
ーーーー→家賃のあまりかからないビジネスには出来ないか?
ーー→変動費=仕入れ、不良在庫
ーーー→仕入れを削減できないか?
ーーーー→仕入れ先との交渉はできないか?
ーーーー→無駄な仕入れは無いか?
ーーー→不良在庫はどうにかならないか?
ーーーー→不良在庫をお金に変えられないか? → 新規ビジネスの模索
ーーーー→不良在庫をなくすためにはどうすればよいか?
細かく分解していくと、終わらなくなるので、この辺までにしておきます。
マーケティング関連だと、
・製品戦略
・市場分析
・アプローチする媒体
などに分けて考えますが、利益を分解しても、
辿りつく場所は、だいたい同じになります。
利益を分解した、そのあとは?
利益を分解しても、使わなければ意味がありません。
あくまで「企業の目的は、利益の最大化」です。
より具体的な指示を出す
「この店舗の利益をもっと上げるために、広告の見直しをしてほしい。人通りの数と直接の来店数で見ると、前年比で変化していないが、広告媒体Aの集客数が減少している。しかし、広告媒体Aの顧客へのアプローチ数に変動は無いため、広告媒体自体の成約率がさがったか、あるいは自社の広告の文章、写真などの影響で反応率が下がったかだと考えられる。媒体自体の成約率が下がっているのであれば、媒体の変更も含めて、広告全体の改善を行ってほしい」
ここまで具体的だと、指示される側としては、嫌かもしれませんね(笑)
自社のスコアリングシート(採点表)を作る
担当によって評価が変動してしまっては意味が薄れるので、お客様アンケートなどで、統計を出すのもありだと思います。
いずれにせよ、売上を上げるためには、こういった要因が絡んで来るんだよ。ってことを、中間管理職の人たちに提示して、部署ごとのマネジメントを強化してみるといった使い方もあると思います。
これから事業を始めるなら?
起業を検討している業種・業態の利益の要因を分析して
「どうすれば利益が上がるのか」
については、ちゃんと把握しておいた方が良いと思います。
まとめ
- 企業の目的は、利益の最大化
- 利益UPは結果であり、具体的指示にはならない。
- 利益を分解かすると、具体的な改善点が見えてくる
今回は、利益ってなに?っていうのを考えてみました。
考えていて気づいたんですけど、業種や業態によって、利益を分解して行ったときの要因って違ってくるんですよね!
ってわけで、ご自身の業界・業態について、ぜひ利益を分解してみてください!